イミフィンジ、切除可能な非小細胞肺がんに対するAEGEAN試験で無イベント生存期間を延長

2023/04/07

文:がん+編集部

 切除可能な非小細胞肺がんを対象に、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)を評価したAEGEAN試験の結果を発表。無イベント生存期間の延長が認められました。

最終的な解析結果においても、病理学的完全奏効と病理学的奏効は中間解析の良好な結果と一致

 アストラゼネカは2023年3月9日、AEGEAN試験における良好な中間解析の結果を発表しました。

 AEGEAN試験は、PD-L1発現の有無を問わず、切除可能なステージ2A~3Bの非小細胞肺がん患者さん802人を対象に、周術期治療としてのデュルバルマブを評価した第3相無試験です。手術前に3週間ごとに1500mgの固定用量のデュルバルマブと化学療法、またはプラセボと化学療法を4サイクル受け、さらに手術後にデュルバルマブまたはプラセボを4週間ごとに(最大12サイクル)投与されました。

 主要評価項目は病理学的完全奏効、無イベント生存期間、主要な副次評価項目は、主要な病理学的奏効、無病生存期間、全生存期間、安全性、QOLなどでした。

 中間解析の結果、術前化学療法へのデュルバルマブの併用および術後のデュルバルマブ単剤療法による治療は、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間の延長が認められました。

 また、病理学的完全奏効および主要な病理学的奏効の最終的な解析結果は、これまでに報告された中間解析における良好な結果と一致していました。

 テキサス大学アンダーソンがんセンターの胸部/頭頸部腫瘍科教授および科長であるJohn V.Heymach医学博士は、次のように述べています。

 「術前および術後の早期の段階でイミフィンジを投与することにより、切除可能な非小細胞肺がん患者さんに有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットをもたらします。切除可能な非小細胞肺がんでは、患者さんが長期にわたり生存できる可能性をもたらす新たな選択肢が早急に必要とされています。AEGEAN試験の結果は、この新しいイミフィンジの投与法が、根治目的の患者さんの転帰改善につながるという説得力のあるエビデンスとなります」