キイトルーダ、HER2陰性の胃腺がん/食道胃接合部腺がんに対する治療薬として国内申請

2023/05/29

文:がん+編集部

 HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する治療薬として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)が国内申請されました。

「キイトルーダ+化学療法」、「プラセボ+化学療法」と比較して全生存期間を有意に改善

 MSD株式会社は2023年5月12日、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法として、ペムブロリズマブの国内申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、KEYNOTE-859試験の結果に基づくものです。

 KEYNOTE-859試験は、HER2陰性の局所進行性切除不能または転移性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者さん1,579人を対象に、一次治療として「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効率、奏効期間、安全性などでした。

 解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」と比較して全生存期間の有意な改善が示されました。また、副次評価項目である無増悪生存期間および奏効率についても、統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと同様でした。

 同社は、次のように述べています。

 「重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進めてまいります」