再発または難治性の濾胞性リンパ腫とマントル細胞リンパ腫を対象に、ブレヤンジを評価した2臨床試験の結果発表
2023/06/07
文:がん+編集部
再発または難治性の濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を対象に、リソカブタゲン マラルユーセル(製品名:ブレヤンジ)を評価したTRANSCEND FL試験とTRANSCEND NHL 001試験の結果が発表され、主要評価項目である全奏効率を達成しました。
主要評価項目の全奏効率を両試験で達成
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年5月1日、TRANSCEND FL試験とTRANSCEND NHL 001試験の結果を発表しました。
TRANSCEND FL試験は、濾胞性リンパ腫および辺縁帯リンパ腫を含む再発または難治性の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫を対象に、リソカブタゲン マラルユーセルの有効性と安全性を評価した第2相試験です。主要評価項目は全奏効率で、副次評価項目は完全奏効率、奏効期間、無増悪生存期間などでした。
TRANSCEND NHL 001試験は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、グレード3B濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を含む再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫を対象に、リソカブタゲン マラルユーセルの安全性、薬物動態、抗腫瘍活性を評価した第1相試験です。主要評価項目は治療に関連する有害事象、用量制限毒性、全奏効率で、副次評価項目は完全奏効率、奏効期間、無増悪生存期間などでした。
両試験の結果、リソカブタゲン マラルユーセルは再発または難治性の濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある奏効を示し、主要評価項目である全奏効率を達成しました。
また、本試験では、主な副次評価項目である完全奏効率も達成し、再発または難治性の濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の両方において高い完全奏効率が示されました。本試験では、いずれの疾患においても、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
同社の細胞療法開発責任者でシニアバイスプレジデントのAnne Kerber氏は、次のように述べています。
「再発または難治性の濾胞性リンパ腫やマントル細胞リンパ腫の患者さん、特に高リスクの疾患を持つ患者さんにとって、深く持続的な奏効をもたらす治療選択肢は限られています。これらのアンメットニーズと、リンパ腫に対する当社の深い生物学的理解は、私たちが患者さんに革新的な治療法を提供する大きな原動力となっています。今回のデータは、ブレヤンジのベスト・イン・クラスおよびベスト・イン・ディジーズ(best-in-disease)のプロファイルをさらに裏付けるものであり、当社のCAR T細胞療法であるブレヤンジが持つ可能性を、さらに多くの患者さんにお届けするための大きな前進を示すものであると考えています」