FLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病を対象にゾスパタを評価したMORPHO試験の結果をASCO2023で発表

2023/06/27

文:がん+編集部

 FLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病を対象に、ギルテリチニブ(製品名:ゾスパタ)を評価したMORPHO試験の結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会2023で発表。造血幹細胞移植後の維持療法のサブグループ解析で有効性が示唆されました。

ゾスパタ、微小残存病変陽性のサブグループ解析において無再発生存期間を改善

 アステラス製薬は2023年6月9日、FLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病を対象に、ギルテリチニブを評価したMORPHO試験の結果をASCO2023で報告することを発表しました。

 MORPHO試験は、寛解導入療法後に寛解したFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病患者さん356人を対象に、ギルテリチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無再発生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間、12か月間と24カ月の無イベント生存率、安全性などでした。

 全患者さんに対する解析では、ギルテリチニブはプラセボと比較して、主要評価項目である無再発生存期間の統計学的に有意な改善は認められませんでした。しかし、同試験のサブグループ解析では、検出可能な微小残存病変陽性の患者さんにおいて無再発生存期間の臨床的な改善が認められ、2年時点での無再発生存率は、ギルテリチニブ72.4%、プラセボ57.4%でした。ギルテリチニブは、造血幹細胞移植後に微小残存病変陽性となった約50%の患者さんにおいて、良好な無再発生存期間の改善を示しました。

 最も多く認められた有害事象は、好中球減少、下痢、悪心でした。ギルテリチニブとプラセボを比較した有害事象では、好中球減少が42.1%と15.8%、慢性移植片対宿主病の増加が52.2%と42.1%でした。