切除不能進行・再発大腸がんの3次治療「ロンサーフ+ベバシズマブ」、CHMPが承認勧告

2023/07/18

文:がん+編集部

 切除不能進行・再発大腸がんの3次治療として、「トリフルリジン・チピラシル(製品名:ロンサーフ)+ベバシズマブ」併用療法は、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を受けました。

「ロンサーフ+ベバシズマブ」、ロンサーフ単独と比較して死亡リスクを39%低下

 大鵬薬品工業株式会社は2023年6月26日、「トリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブ」併用療法が、切除不能進行・再発大腸がんの3次治療としてCHMPから承認勧告を受領したことを発表しました。今回の承認勧告はSUNLIGHT試験の結果に基づくものです。

 SUNLIGHT試験は、2つの前治療を行った切除不能な進行・再発の大腸がん患者さん492人を対象に、「トリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブ」併用療法とトリフルリジン・チピラシル単独療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、病勢コントロール率、安全性、忍容性、生活の質などでした。

 試験の結果、「トリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブ」併用療法は、トリフルリジン・チピラシル単独療法と比較して死亡リスクが39%低下。全生存期間の中央値は、それぞれ10.8か月と7.5か月でした。また、病勢進行または死亡リスクが56%低下し、無増悪生存期間の中央値は、それぞれ5.6か月と2.4か月でした。最も多く認められた有害事象は、好中球減少症、吐き気、貧血でした。治療に関連した死亡は報告されていません。