HER2陽性の進行固形がんを対象にCAR-T細胞療法「FT825/ONO-8250」を評価する第1相試験を開始
2024/03/01
文:がん+編集部
HER2陽性の進行固形がんを対象に、CAR-T細胞療法「FT825/ONO-8250」を評価する第1相試験が開始されました。
FT825/ONO-8250、HER2を標的化し細胞機能をコントロールする7つの新規遺伝子編集を組み込んだiPSC由来CAR-T細胞製品候補
小野薬品工業株式会社は2024年1月9日、HER2陽性の進行固形がんを対象に、CAR-T細胞療法「FT825/ONO-8250」を評価する第1相試験を開始したことを発表しました。
今回開始した第1相試験は、治療歴があるHER2陽性の進行固形がんの患者さんを対象に、FT825/ONO-8250の単剤療法およびモノクローナル抗体療法との併用療法としてFT825/ONO-8250の単回投与を評価します。本試験の用量漸増パートおよび用量拡大パートでは、安全性、忍容性、薬物動態、奏効率、奏効期間、病勢コントロール率による抗腫瘍活性が評価されます。
FT825/ONO-8250は、HER2を標的化し、「がん選択性を有する新規の抗原結合ドメイン」「細胞移行を促進するCXCR2受容体」「腫瘍微小環境における免疫抑制シグナルを再指向するキメラ型TGF-β受容体」「抗体依存性細胞傷害活性を付与する高親和性/非開裂型のCD16a受容体」を含む、細胞機能をコントロールする7つの新規遺伝子編集を組み込むことで、固形がんの治療における特有の課題を克服するように設計された人工多能性幹細胞(iPSC)由来CAR-T細胞製品候補です。