初発の慢性骨髄性白血病を対象にセムブリックスを評価したASC4FIRST試験の結果を発表

2024/07/26

文:がん+編集部

 初発の慢性骨髄性白血病を対象に、アシミニブ(製品名:セムブリックス)を評価したASC4FIRST試験の結果を発表。有効性、安全性、忍容性が認められました。

セムブリックス、48週時点の分子遺伝学的大奏効率で医師選択の標準治療TKIより優れた有効性示す

 ノバルティスは2024年5月31日、ASC4FIRST試験の結果を発表しました。

 ASC4FIRST試験は、初発でフィラデルフィア染色体陽性の慢性骨髄性白血病患者さん405人を対象に、アシミニブと医師選択の第一世代または第二世代のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ)を比較した第3相試験です。主要評価項目は48週時点で分子遺伝学的大奏効(MMR)を達成した被験者の割合を指標とした、アシミニブと医師が選択したTKIの有効性との比較、ランダム化前にイマチニブが選択された患者さんグループにおけるアシミニブと医師選択のTKIの有効性の比較でした。主な副次評価項目は96週時点でMMRを達成した被験者の割合、96週時点までの有害事象による治験薬の投与中止までの期間で、その他の安全性や有効性の副次評価項目も評価されました。

 48週時点のMMR率を解析した結果、アシミニブは医師選択のTKIと比較して優れた有効性を認めました。また、アシミニブは良好な安全性および忍容性プロファイルを示し、イマチニブおよび第二世代TKIと比較して、グレード3以上の有害事象の発現率および用量調節が少なく、投与中止に至った有害事象発現率も半分でした。

 South Australian Health & Medical Research InstituteのTim Hughes医学博士は、次のように述べています。

 「セムブリックスは、医師選択の標準治療TKIと比較して、有意に優れた有効性を示した初めての慢性骨髄性白血病治療薬です。セムブリックスは優れた奏効率と素晴らしい安全性および忍容性プロファイルを兼ね備えており、初発の慢性骨髄性白血病患者さんが治療目標を達成することを後押ししてくれる、非常に有望な一次治療の選択肢となる可能性があります」