上皮間葉転換
ジョウヒカンヨウテンカン
がん細胞が転移する過程で重要な役割を果たす現象。通常、上皮細胞は互いに密着して組織を形成しているが、この転換により細胞同士の結合が弱まり、移動能力が高まる。がん細胞はこの過程を経て、血管やリンパ管に侵入し、他の臓器へ転移しやすくなる。また、上皮間葉転換を起こした細胞は、抗がん剤や放射線治療に対する抵抗性を獲得することがある。そのため、この現象のメカニズムを解明し、阻害する方法を開発することが、がん治療の新たな戦略として注目されている。