【週刊】がんプラスPickupニュース(2025年4月7日)
2025/04/07
文:がん+編集部
切除不能局所進行非小細胞肺がん、化学放射線療法後も再発の不安感じる患者さんは8割以上
アストラゼネカは2025年3月25日、切除不能な局所進行非小細胞肺がんの患者さんを対象としたインターネット調査結果を発表しました。
今回の調査は、診断から5年未満かつ手術を受けていないステージ3の肺がん患者さんのうち、初回治療で化学放射線療法を受けた、あるいは受けていないが検討したことがある62人を対象に、治療前後に抱く不安や心情について調べたものです。
調査の結果、化学放射線療法を受けた後でも、再発に対する不安を感じる患者さんが8割を超え、このうち4人に1人の患者さんは時間が経過しても再発に対する不安が残り続けることが判明しました。
主な調査結果は、以下の通りです。
- 化学放射線療法を受けるかどうかを決める際に参考とした情報源は「医師からの説明」が96.8%
- 化学放射線療法を受けると決めた理由は、「医師の勧め」のほか、「治療効果への期待」「手術の難しさ」「選択肢の制約」など多岐にわたる
- 化学放射線療法を受け「つらい治療であると感じた」患者さんは41%、その一方で94.8%が「治療選択したことを後悔していない」と回答
- 根治目的の化学放射線療法後、84.6%の患者さんが再発に対して不安を感じていたと回答、そのうちの24.2%は時間が経過しても再発に対する不安を持ち続けていた
EGFR変異陽性局所進行・転移性非小細胞肺がんを対象に、「ライブリバント+ラズクルーズ」を評価したMARIPOSA試験の結果を発表
米ジョンソン&ジョンソン社は2025年3月26日、MARIPOSA試験の結果を発表しました。
MARIPOSA試験は、EGFRエクソン19欠失変異またはエクソン21のL858R置換変異がある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さん1,074人を対象に、一次治療として「アミバンタマブ(製品名:ライブリバント)+ラゼルチニブ(製品名:ラズクルーズ)」併用療法とオシメルチニブ(製品名:タグリッソ)もしくはラゼルチニブを比較した第3相試験です。
追跡期間中央値37.8か月の時点の解析の結果、「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法はオシメルチニブと比較して死亡リスクを25%改善し、統計学的有意な全生存期間の延長が認められました。
テブダック、がん化学療法後に増悪した進行または再発の子宮頸がん治療薬として国内承認
ジェンマブ株式会社は2025年3月27日、チソツマブ べドチン(製品名:テブダック)について、がん化学療法後に増悪した進行または再発の子宮頸がんの治療薬として製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表しました。今回の承認は、innovaTV 301/ SGNTV-003試験の結果に基づくものです。
innovaTV 301/ SGNTV-003試験は、1次または2次全⾝療法の治療歴がある再発または転移性⼦宮頸がん患者さん502人を対象に、チソツマブ べドチンと治験責任医師が選択した化学療法単独(トポテカン、ビノレルビン、ゲムシタビン、イリノテカン、ペメトレキセド)を⽐較した第3相試験です。
試験の結果、チソツマブ べドチンは化学療法と比較して死亡リスクを30%低減し、主要評価項目である全生存期間の統計学的に有意な延長が認められました。