骨髄異形症候群の治験、世界初の経口DNAメチル化阻害配合薬としてポジティブな結果
2019/06/21
文:がん+編集部
骨髄異形症候群に対するASTX727の治験で、ポジティブな結果がでました。本剤は、世界初の経口DNAメチル化阻害配合薬です。
経口投与ASTX727は、通院治療の負担を軽減
大塚製薬株式会社は6月7日に、骨髄異形症候群に対する経口DNAメチル化阻害配合薬ASTX727の治験の結果を発表しました。
ASTX727は、同社の米国子会社のアステックス社が開発している世界初の経口DNAメチル化阻害配合薬で、DNAメチル化阻害薬デシタビンに、デシタビンの分解を抑制する新規代謝酵素阻害薬セダズリジンが配合されています。
ASTX727の臨床試験は、18歳以上で未治療の中間~高リスクの骨髄異形症候群の患者さんを対象に、静注薬のデシタビンと経口薬のASTX727を比較した多施設共同、無作為化非盲検クロスオーバー試験です。ASTX727を1日1回5日間服用後23日間休薬するグループと、デシタビン20mg/m2を1日1回5日間静注後23日間休薬するグループに分けられました。1サイクル後に投与薬を入れ替え、3サイクル目以降は、両グループともASTX727投与とし、ASTX727とデシタビンの薬物動態、薬力学、安全性、忍容性について比較検討が行われました。その結果、主要評価項目であるASTX727とデシタビンの5日間の有効成分の暴露量の比較において、同等性が証明されました。副次的評価項目である安全性と忍容性、薬力学評価も同程度だったそうです。
現在治療に使われているメチル化阻害薬は、静注製剤のため通院治療が必要です。ASTX727は経口薬のため、患者さんの通院負担を軽減でき、新たな治療選択となる可能性があります。