PD-L1発現率1%非小細胞肺がん、オプジーボ+ヤーボイ併用が全生存期間を達成

2019/08/03

文:がん+編集部

 PD-L1発現率が1%以上の非小細胞肺がん一次治療で、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法が、主要評価項目の1つである全生存期間を達成しました。

肺がんの一次治療、新たな選択肢に光

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は7月24日、PD-L1発現率1%以上の非小細胞肺がんに対する治験の一次治療として、ニボルマブ+低用量イピリムマブ併用療法を評価した第3相臨床試験CheckMate-277試験の結果を発表しました。

 CheckMate-277試験は、進行非小細胞肺がん患者さんに対して、ニボルマブを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較した、複数のパートで構成された非盲検第3相臨床試験です。

 臨床試験の内容は次の通り。
・パート1a=PD-L1陽性患者さんを対象に、ニボルマブ+低用量のイピリムマブの併用療法、またはニボルマブ単剤療法を化学療法と比較・パート1b=PD-L1陰性患者さんを対象に、ニボルマブ+低用量のイピリムマブの併用療法、またはニボルマブと化学療法の併用療法を化学療法と比較・パート2=PD-L1の発現に関わらず、ニボルマブ+化学療法併用と化学療法を比較

 パート1においては主要評価項目が2つ設定され、1つはPD-L1の発現率1%以上の患者さんの全生存期間、もう1つはPD-L1の発現に関わらず、がん免疫療法のバイオマーカーである腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10mut/Mb以上)の患者さんの無増悪生存期間です。パート1の評価の結果、2つの主要評価項目は達成し、優れた効果が示されました。パート2では、非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんに対して、主要評価項目である全生存期間を達成しませんでした。ニボルマブ+低用量イピリムマブ併用療法の安全性に関しては、これまで報告された知見と一致していました。

 CheckMate-277試験の治験責任者であるMartin Reck医師は「CheckMate-277試験のパート1aにおけるニボルマブとイピリムマブの結果は、肺がん患者の一次治療における全生存期間でベネフィットを示し、化学療法に代わり得るレジメンを提供します。PD-L1の発現の有無に関わらず、効果が認められたことに勇気づけられ、今後、発表されるすべてのデータを楽しみにしています」と、述べています。