イミフィンジ+トレメリムマブ併用、治験で全生存期間達成せず

文:がん+編集部

 未治療のステージ4非小細胞肺がん患者さんに対する治験で、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ併用療法は、全生存期間の延長を達成しなかったことがわかりました。

イミフィンジ、単剤と併用の2つの治験は進行中

 英アストラゼネカ社は8月21日、未治療のステージ4非小細胞肺がんに対する第3相NEPTUNE試験の結果を発表しました。

 NEPTUNE試験は、治療歴のないステージ4の非小細胞肺がん患者さんを対象とした第3相臨床試験です。デュルバルマブ(抗PD-L1抗体薬)とトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体薬)併用療法と、標準治療であるプラチナ製剤ベースの化学療法を比較して、血中TMB(腫瘍変異量)が20MuT/μL以上と定義された患者さんの全生存期間で評価されました。TMBは、腫瘍のDNA内の変異数を測定するもので、TMBレベルが高い腫瘍は免疫システムに見つけられやすくなります。しかし、今回の解析の結果、併用療法は標準治療と比較して、全生存期間を統計学的に有意に延長することができませんでした。

 同社のオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselga氏は「転移性非小細胞肺がん患者さんに対する免疫腫瘍学的アプローチの改善に向けたさらなる見識を得るために、本試験から得られた膨大な臨床およびバイオマーカーに関する広範なデータの解析に全力で取り組みます」と、述べています。

 デュルバルマブは免疫チェックポイント阻害薬の1つです。がん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現している「PD-1」は、がん細胞の表面に発現する「PD-L1」と結合すると、がん細胞を攻撃しなくなります。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といいます。デュルバルマブは、PD-L1と結合し、免疫チェックポイント機構の働きを抑制、免疫細胞が再び攻撃できるようにすることで、治療効果を発揮します。

 デュルバルマブは、切除不能なステージ3の非小細胞肺がんの治療薬として、日本を含む世界49か国で承認されています。また、ステージ4の非小細胞肺がんにおけるがん免疫療法の後期開発プログラムの一環として、単剤療法による第3相PEARL試験、化学療法との併用または、化学療法とトレメリムマブとの併用療法として第3相POSEIDON試験が進行中です。