レンビマとキイトルーダの併用、子宮内膜がんでFDA承認

2019/10/15

文:がん+編集部

 子宮内膜がんに対して、レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)併用療法が、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

MSI-H、dMMRを有さない子宮内膜がん患者の完全奏効率10.6%

 エーザイと米メルクは9月18日、レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法が、全身療法後に増悪した根治手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有さない子宮内膜がんの効能・効果で、FDAから承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、111/KEYNOTE-146試験の結果に基づくものです。

 111/KEYNOTE-146試験は、多コホート、多施設共同非盲検単群の臨床試験です。全身療法後に増悪した子宮内膜がん患者さん108人を対象に、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法が評価されました。その結果、MSI-H、dMMRを有さない94人の患者さんの奏効率は38.3%、そのうち完全奏効は10.6%、部分奏効は27.7%でした。データカット時点で、69%の患者さんが少なくとも6か月以上の奏効持続期間を達成しており、現在も追跡観察中です。

 安全性に関して、主な有害事象は、疲労、筋骨格系筋肉痛、高血圧、下痢、食欲不振、甲状腺機能低下症、悪心、口内炎、嘔吐、体重減少、腹痛、頭痛、便秘、尿路感染症、発声障害、出血性事象、低マグネシウム血症、手掌足底発赤知覚不全症候群、呼吸困難、咳および発疹でした。

 レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法として初承認であり、また子宮内膜がんに対するキナーゼ阻害剤と抗PD-1抗体との併用療法として初めての承認です。

 Memorial Sloan Kettering Cancer Centerの腫瘍内科医であるVicky Makker博士は「子宮内膜がんは早期診断されれば予後は良好です。しかし、全身療法後にがんが増悪した女性患者さんには、FDAによって承認された治療選択肢は殆どありません。奏効率および奏効期間に基づいた本併用療法の承認は、全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応なMSI-H/dMMRを有さない進行性子宮内膜がん患者様のアンメット・メディカル・ニーズの充足に役立つと期待しています」と、述べています。