キイトルーダ+化学療法、PD-L1陰性非小細胞肺がん治験で全生存期間を延長

2019/10/16

文:がん+編集部

 PD-L1陰性の進行非小細胞肺がんの初回治療に対する治験の解析結果を発表。ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法併用が、化学療法単独と比較して、全生存期間を延長したことが引き続き示されました。

キイトルーダ併用療法、死亡リスク44%低下

 米メルク社は9月10日、KEYNOTE-189試験、KEYNOTE-407試験およびKEYNOTE-021試験(コホートG)の3試験のプール解析から得られた結果を発表しました。

 この3試験に登録されたPD-L1陰性の進行非小細胞肺がん患者さん428人を解析。EGFR遺伝子変異陽性またはALK融合遺伝子陽性の非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんは対象外でした。初回治療としてペムブロリズマブ+化学療法併用と化学療法単剤を比較したところ、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率の改善が示されました。10.2か月の追跡調査の結果、ペムブロリズマブ併用療法は、化学療法単独に比べ、死亡リスクが44%低下。また、奏効率はペムブロリズマブ併用療法で46.9%、化学療法単独で28.6%でした。

 安全性に関しては、グレード3~5の有害事象を発現した患者さんは、ペムブロリズマブ併用療法で68%、化学療法単独で72%で、致死的な有害事象では、ペムブロリズマブ併用療法で9%、化学療法単独で6%でした。グレード3~5の免疫関連の有害事象および急性輸液反応を発現した患者さんは、ペムブロリズマブ併用療法で11%、化学療法単独で3%で、死亡者は、ペムブロリズマブ併用療法で1%、化学療法単独ではみとめられませんでした。

 同社研究開発本部オンコロジークリニカルリサーチ バイスプレジデントであるJonathan Cheng博士は「当社の揺るぎない肺がん臨床開発プログラムでは常に、この生存率が低く悪性度の高いがんと診断された患者さんの生存期間の延長を目標としてきました。今回の進行非小細胞肺がんにおける3つの無作為化KEYNOTE試験のプール解析では、新たに肺がんと診断されたPD-L1陰性の患者さんにおいて、キイトルーダと化学療法との併用療法は化学療法単独と比較して全生存期間を延長することが示されました」と、述べています。