キイトルーダ、切除不能な進行・再発胃がんに対する効果・効能で承認申請

2019/10/31

文:がん+編集部

 ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)について、治癒切除不能な進行・再発胃がんへの効果・効能で承認申請が行われました。

PD-L1陽性患者へのキイトルーダ単独療法、化学療法のみと比べ全生存期間は非劣勢

 MSDは10月4日、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する、ペムブロリズマブの製造販売承認事項の一部変更を承認申請したと発表しました。今回の申請は、KEYNOTE-062試験の結果に基づくものです。

 KEYNOTE-062試験は、PD-L1陽性でHER2陰性の進行胃腺がん、または食道胃接合部腺がん患者さん763人が対象。初回治療としてペムブロリズマブ単独療法(256人)、化学療法(シスプラチン+5FUまたはカペシタビン)との併用療法(257人)、化学療法単独療法(250人)を比較して評価した国際共同第3相臨床試験です。主要評価項目は、ペムブロリズマブ単独群と化学療法併用群でPD-L1陽性(CPS≧1、≧10)の患者さんの全生存期間、化学療法併用群でPD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんの無増悪生存期間でした。

 本試験の結果、全生存期間は、ペムブロリズマブ単独療法は、化学療法のみの群に対し非劣性が認められました。PD-L1高発現(CPS≧10)のサブグループでは、ペムブロリズマブ単独群は、化学療法のみの群と比較して全生存期間の改善は認められましたが、正式な評価は未実施。ペムブロリズマブ+化学療法群は、統計学的に有意な全生存期間の改善が認められませんでした。

 ペムブロリズマブは、2017年2月に国内販売を開始。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」の効能・効果について承認を取得しています。また、乳がん、大腸がん、前立腺がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。