パージェタ併用、HER2陽性早期乳がんに対し再発および死亡リスクを24%低下

2020/01/28

文:がん+編集部

 HER2陽性早期乳がん患者さんに対する治験の中間解析結果が発表されました。ペルツズマブ(製品名:パージェタ)+トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)+化学療法において、乳がんの再発または死亡リスクを低下しました。

長期のフォローアップで、パージェタ併用レジメンの治療効果が認められる傾向

 ロシュ社は2019年12月11日、HER2陽性早期乳がん対象の第3相臨床試験APHINITY試験の、全生存期間に関する2回目の中間解析結果を発表しました。ペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法(ペルツズマブ併用レジメン)と、プラセボ+トラスツズマブ+化学療法(対照レジメン)を比較検証した試験で、1回目の中間解析(2017年)はフォローアップ期間中央値が45か月でしたが、今回は74か月の時点で解析されました。

 APHINITY試験は、根治手術を受けた早期乳がん患者さん4,805人を対象にした臨床試験です。ペルツズマブ併用レジメンと対照レジメンを比較して、主要評価項目である再発または死亡までの生存期間、副次的評価項目である心機能および安全性、全生存期間、無病生存期間、健康関連QOLで評価されました。

 今回の最新解析の結果、試験集団全体でペルツズマブ併用レジメンは対照レジメンに比べ、乳がんの再発または死亡のリスクを24%低下させました。再発を認めなかった割合は対照レジメン87.8%に対し、ペルツズマブ併用レジメンでは90.6%で、2.8ポイント改善。特に、リンパ節転移陽性などの再発リスクの高い患者さんでは、再発または死亡リスクが28%減少と高い効果の傾向が見られました。これは、第1回目の中間解析と同様の傾向です。ホルモン受容体の有無にかかわらず、長期のフォローアップにより、ペルツズマブ併用レジメンの治療効果が認められました。

 安全性に関しては、心血管イベントの発生率は、ペルツズマブ併用レジメン0.8%、対照レジメン0.3%で、心機能に関しての新たな懸念は認められませんでした。安全性プロファイルは、第1回目の解析およびこれまでの試験と一致していました。

 APHINITY試験は、全生存期間の臨床的有用性を見極めるため、2022年に計画されている第3回の中間解析まで継続されます。