日本の女子大学生の乳がんに対する意識・関心は比較的高い

文:がん+編集部

 乳がんに対する日本の女子大学生の意識調査の結果が、3月18日に日本人類遺伝学会の公式英文誌「Journal of human genetics」に掲載されました。

BRCA1/2変異陽性なら「結婚や出産をためらう」と約半数が回答

 東京医科歯科大学を中心とした研究グループは、乳がんに対する意識調査を日本の女子大学生を対象に行いました。対象者は20~30歳までの乳がんの既往歴がない女性で、匿名でアンケートに回答してもらう形式で行われました。

 353人の女性から回答があり、結果を分析。総じて、知識・意識・関心のレベルは比較的高いことがわかりました。検査を受けるかを聞いた質問では、乳がんの家族歴がある女性で92.8%、そうでない女性で74.5%が「受ける可能性が低い」という回答でした。

 また、リスク低減のための乳房切除術(RRM)や卵管卵巣摘除術(RRSO)に対し、肯定的な考え方があるかを質問したところ、医学部専攻の学生で高い傾向にあることがわかりました。具体的にRRMについては、医学部71.6%、理学部で54.5%、人文系学部53.8%という結果でした。さらに、回答者がBRCA1およびBRCA 2遺伝子変異陽性だった場合、45.3%は結婚を、55.4%は妊娠・出産を「ためらう」と答えました。

 現在、日本ではBRCA1およびBRCA2遺伝子変異陽性の乳がんに対し、PARP阻害剤を使用するための遺伝子検査が保険適用で行われています。この検査で変異陽性だった場合、その患者さんの家族が遺伝性乳がんリスクをもつ可能性が、間接的にわかります。こうした形でも、遺伝性がんの背景を知ることは重要です。

 今回の研究成果は、遺伝性乳がん・卵巣がんのリスクがある若い女性が、結婚や妊娠・出産に関する意思決定をする際のサポート方法を確立するのに役立つことが期待されます。