未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する第3相IPATential150試験で、無増悪生存期間の延長を特定の患者集団で達成

文:がん+編集部

 未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がんに対し、イパタセルチブとアビラテロン(製品名:ザイティガ)に加えてプレドニゾロンまたはプレドニゾンを併用する療法を評価した臨床試験で、主要評価項目の1つを達成しました。

全対象集団対する無増悪生存期間は、統計学的に有意な延長は示さず

 中外製薬は6月19日、イパタセルチブとアビラテロンに加えてプレドニゾロンまたはプレドニゾンを併用する療法(以下、イパタセルチブ併用療法)を評価した、未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象とした第3相IPATential150試験において、アビラテロンとプレドニゾロンまたはプレドニゾンの併用療法と比較し、PTENタンパク質欠損の患者さんで無増悪生存期間が延長され、主要評価項目の1つを達成したと発表しました。

 IPATential150試験は、無症候性または軽度の症状を有する未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がんの患者さんを対象に、イパタセルチブ併用療法の有効性および安全性を検討した臨床試験。イパタセルチブ併用療法と、アビラテロンとプレドニゾロンまたはプレドニゾン併用療法を比較しました。主要評価項目は全患者さんと、PTENタンパク質欠損の患者さんの、2つの集団を対象とした無増悪生存期間でした。副次的評価項目は、全生存期間、安全性、痛みの増悪までの期間、細胞傷害性化学療法開始までの期間、身体機能低下までの期間などでした。

 試験の結果、イパタセルチブ併用療法が行われたPTENタンパク質欠損の患者さんで、無増悪生存期間の統計学的有意な延長が示され、主要評価項目の1つを達成しました。もう1つの主要評価項目である全患者さんにおける無増悪生存期間は、統計学的に有意な延長を示しませんでした。安全性に関して、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の代表取締役社長 COOの奥田 修氏は、次のように述べています。

 「イパタセルチブとアビラテロンおよびプレドニゾロンまたはプレドニゾンの併用により、転移性前立腺がんに対して良好な成績が示されたことをとても喜ばしく思います。標準治療であるホルモン療法に抵抗性または再燃の転移性前立腺がんでは、新たな作用機序を有する治療が待ち望まれています。患者さんに新しい治療選択肢を一日も早くお届けできるよう、引き続きロシュとの協働を進めてまいります」