ベージニオ、HR陽性HER2陰性の高リスク早期乳がんの再発または死亡リスクを有意に低下

2020/07/28

文:がん+編集部

 HR陽性HER2陰性の高リスク早期乳がん対し、アベマシクリブ(製品名:ベージニオ)を評価した臨床試験の結果、再発リスクが有意に低下しました。

HR陽性HER2陰性の高リスク早期乳がんの患者さんに対する新たな治療となる可能性

 米イーライリリーは6月16日、HR陽性HER2陰性の高リスク早期乳がんに対する第3相monarchE試験の結果、アベマシクリブと標準的な術後内分泌療法の併用投与が主要評価項目の無病生存期間を達成し、再発または死亡リスクを有意に低下させたことを発表しました。これらの結果は、事前に計画された中間解析によるものです。

 monarchE試験は、HR陽性HER2陰性の高リスクのリンパ節転移陽性早期乳がん患者さん5,637人を対象とした第3相多施設国際共同無作為化非盲検試験です。標準的な術後内分泌療法にアベマシクリブを追加したグループと術後内分泌療法のみのグループで比較し、主要評価項目の無病生存期間、副次的評価項目の無遠隔転移生存期間、全生存期間、安全性、薬物動態、ヘルスアウトカムなどで評価されました。最長2年間または中止基準に達するまで治療が行われました。中間解析の結果、術後内分泌療法にアベマシクリブを追加したグループにおいて、乳がんの再発または死亡リスクが有意に低下しました。

 同社オンコロジー部門の後期開発バイスプレジデントであるMaura Dickler医師は、次のように述べています。

 「再発高リスクの早期乳がんと診断された患者さんは、再発しないようにあらゆる手を尽くそうと努めています。臨床医である私たちの目標も同じです。monarchE試験は、再発リスクの高い乳がんの患者さんのために特別にデザインされた試験です。私たちは、monarchE試験の結果と、HR陽性HER2陰性の高リスク早期乳がんの患者さんに新たな治療選択肢を提供できる可能性があるということに大きな喜びを感じています。これは、この治験に参加してくださった皆様の多大な貢献なしには不可能だったでしょう」