光免疫療法の2つの前臨床試験の結果が米国がん学会で発表

文:がん+編集部

 光免疫療法にかかわる2つの前臨床試験の結果が、米国がん学会で発表されました。

光免疫療法で治療したがん細胞をマウスに移植した実験で新たな移植がん細胞を拒絶

 楽天メディカルは6月23日、イルミノックスTMプラットフォームと呼ばれる、特定の細胞に選択的に光感受性物質を運び、光を照射することによって細胞を壊死させる治療技術である光免疫療法にかかわる、2つの前臨床試験の結果を米国がん学会(オンライン)で報告をしたことを発表しました。

 1つ目の発表は、抗体とIRDye (R)700DXの複合体の薬剤を用いた光免疫療法が、細胞膜を破壊しがん細胞の壊死を誘発する、独自の生物・物理学的プロセスを示しているというものです。

 2つ目の発表は、光免疫療法が、がん細胞の壊死を誘発し、がん細胞に対する免疫反応を惹起することを裏付けたというマウス実験。この実験で、光免疫療法を行ったがん細胞をマウスに移植したところ、新たな移植がん細胞を拒絶しました。これは、光免疫療法が免疫原性細胞死を誘発し、ホストマウスの免疫反応を活性化することでがん細胞の生着を防ぐことを示唆しています。

 同社のチーフ・サイエンティフィック・オフィサーであるミゲル・ガルシア・グズマン博士は、次のように述べています。

 「抗体とIRDye (R)700DXの複合体の薬剤により標的化された細胞の急速な細胞膜の破壊を起こすことで、がん細胞の壊死と、さらに免疫原性細胞死を誘発するイルミノックスTMプラットフォームの作用機序の発表ができたことを大変嬉しく思います。この作用機序が示す通り、イルミノックスTMの技術が、長期の免疫記憶によるがん細胞特異的な自然免疫および、獲得免疫の活性化によって、免疫正常マウスによる抗腫瘍効果を誘発することを示しました」