ハラヴェンの新剤型「E7389-LF」、第1相臨床試験のHER2陰性乳がんに関する結果を発表

文:がん+編集部

 エリブリン(製品名:ハラヴェン)の新剤型「E7389-LF」について、第1相臨床試験の結果のうち、HER2陰性の乳がんに関するデータが発表されました。

HER2陰性乳がん全体の奏効率35.7%、ホルモン受容体陽性では42.9%、トリプルネガティブ14.3%

 エーザイは9月18日、自社創製の抗がん剤エリブリンの新剤形であるリポソーム製剤E7389-LFについて、臨床第1相試験「114試験」のうちHER2陰性乳がん患者さん対象の最新データを「欧州臨床腫瘍学会年次総会(ESMO)」で報告したことを発表しました。

 E7389-LFは、ハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害薬であるエリブリンを、脂質二重層で構成されるリポソームに内包させた新製剤です。がん細胞は正常細胞に比べ、リポソーム製剤を含む高分子製剤の到達度と滞留度が向上することが想定されているため、がん細胞でエリブリンの濃度向上することが期待されます。

 114試験は、前治療歴のある固形がんを対象とした臨床試験。今回発表されたのは、アントラサイクリン系およびタキサン系薬剤による前治療歴があり、エリブリンによる治療歴がないHER2陰性の再発乳がん患者さん28人(ホルモン受容体陽性21人、トリプルネガティブ7人)に関する治療成績です。E7389-LFはエリブリンとして2.0mg/m2が3週に1回投与されました。

解析の結果は、以下の通りです。

・HER2陰性乳がんコホート全体の奏効率:35.7%
・ホルモン受容体陽性のグループの奏効率:42.9%
・トリプルネガティブのグループの奏効率:14.3%
・病勢コントロール率(病勢安定率、部分奏効率、完全奏効率を合わせた割合):89.3%
・無増悪生存期間(中央値):5.7か月
・全生存期間(中央値):未達

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少(67.9%)、白血球減少(42.9%)、血小板減少(32.1%)、発熱性好中球減少(25.0%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加(21.4%)で、これまでにエリブリンで確認された安全性プロファイルと一致していました。