リムパーザ、BRCA陽性進行卵巣がんに対する治験で無増悪生存期間を4年半超に延長

文:がん+編集部

 BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんを対象に、オラパリブ(製品名:リムパーザ)を評価した臨床試験の結果、プラセボに対し無増悪生存期間を有意に延長しました。

5年経過した時点で、患者さんの半数近くはがんが進行せずに病勢が安定

 アストラゼネカは9月28日、新たにBRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんと診断された患者さんを対象に、オラパリブを評価した第3相SOLO-1試験の結果を発表しました。

 SOLO-1試験は、白金製剤ベースの化学療法後に、完全奏効または部分奏効を示した病的変異あるいは病的変異疑いに分類されるBRCA1またはBRCA2遺伝子変異が確認された患者さん391人を対象に、白金製剤を含む初回化学療法後の単剤維持療法として、オラパリブ(300mg1日2回)をプラセボと比較した無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は2次進行もしくは死亡までの期間、全生存期間でした。

 5年間の追跡調査の結果、無増悪生存期間の中央値がオラパリブ56.0か月、プラセボ13.8か月と、オラパリブで病勢進行または死亡リスクが67%低減しました。5年時点の病勢進行が認められなかった患者さんの割合は、オラパリブ48.3%、プラセボ20.5%でした。

 安全性に関しては、これまで確認された安全性プロファイルと一致していました。20%以上で認められた有害事象は、悪心 (77%)、疲労・無力症(63%)、嘔吐 (40%)、貧血(39%)および下痢(34%)でした。また、主なグレード3以上の有害事象は貧血(22%)および好中球減少(9%)で、オラパリブが投与された患者さんの12%は有害事象によって治療を中止しました。

 SOLO-1試験の治験医師の一人であり、The Royal Marsden NHS Foundation Trustの顧問腫瘍内科医師でThe Institute of Cancer Researchの准教授でもあるSusana Banerjee氏は次のように述べています。

 「BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんと新たに診断された患者さんにおいて、リムパーザによる2年間の維持療法により得られた臨床上の有用性は治療終了後も長期にわたって継続しました。また、5年経過した時点でも、これら患者さんの半数近くはがんが進行せずに病勢が安定していました。今回得られた結果は、BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんの治療において意義のある進歩を示しています」