レンビマ+キイトルーダ/レンビマ+アフィニトール併用療法、進行性腎細胞がんの一次治療として有効性を示す

2020/12/17

文:がん+編集部

 進行性腎細胞がんの一次治療として、レンバチニブ(製品名:レンビマ)をベースにした2つの併用療法を評価した臨床試験の結果が発表。レンバチニブ+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)併用療法、および、レンバチニブ+エベロリムス(製品名:アフィニトール)併用療法は、スニチニブ(製品名:スーテント)と比較して、有効性が認められました。

進行性腎細胞がんの一次治療、レンビマをベースとした2つの併用療法に期待

 エーザイと米メルク社は11月10日、レンバチニ+ペムブロリズマブ併用療法、および、レンバチニブ+エベロリムス併用療法を、進行性腎細胞がんの一次治療として評価した第3相「CLEAR(307)/KEYNOTE-581試験」の良好な結果を発表しました。

 CLEAR(307)/KEYNOTE-581試験は、進行性腎細胞がん患者さん1,050人を対象に、一次治療としてレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法、レンバチニブ+エベロリムス併用療法を、スニチニブ単剤療法と比較して評価した第3相臨床試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、奏効率、安全性などでした。

 試験の結果、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は、スニチニブ単剤療法に比べ、全患者さんで無増悪生存期間、全生存期間、奏効率いずれも統計学的に有意にかつ臨床的に意義のある改善を示しました。また、レンバチニブ+エベロリムス併用療法も、スニチニブ単剤療法に比べ、全患者さんで無増悪生存期間、奏効率を統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一致していました。

 米メルク社のOncology Clinical ResearchのAssociate Vice PresidentであるGregory Lubiniecki博士は、次のように述べています。

 「キイトルーダとレンビマの併用療法がスニチニブに対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間、全生存期間および奏効率の改善を示したことは、進行性腎細胞がんの一次療法に対するキイトルーダをベースとした併用療法の研究を支持する科学的エビデンスの蓄積となります。両社は引き続き協力し、特に腎細胞がんのようなアンメットニーズの高い領域において、キイトルーダとレンビマの併用療法の可能性を追求していきます」

 また、エーザイの執行役 オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー兼チーフディスカバリーオフィサーである大和隆志博士は、次のように述べています。

 「今回のCLEAR(307)/KEYNOTE-581試験の結果は、レンビマとキイトルーダの併用療法について、進行性腎細胞がんの一次療法としての有用性を支持するものです。また、血管新生阻害剤治療後の進行性腎細胞がんに対する二次治療として承認を取得しているレンビマとエベロリムスの併用療法についても、一次治療としてのポテンシャルを裏付けるものです。今回の結果は我々を大いに勇気づけるものであり、我々の知見をさらに拡大し、治療が難しいとされるがんの患者様のアンメットニーズを満たす治療法の開発に注力してまいります」