「ビラフトビ」と「メクトビ」に関わる2つの併用療法、BRAF遺伝子変異陽性の進行・再発大腸がんに対し国内承認
2020/12/28
文:がん+編集部
BRAF阻害薬エンコラフェニブ(製品名:ビラフトビ)とMEK阻害薬ビニメチニブ(製品名:メクトビ)に関わる2つの併用療法が、がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する効能・効果で国内承認されました。
BEACON CRC試験の結果、2つの併用療法は全生存期間を有意に延長
小野薬品工業は11月27日、エンコラフェニブとビニメチニブに関わる2つの併用療法が、がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する効能または効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省から取得したことを発表しました。
1つは、「エンコラフェニブ+ビニメチニブ+抗EGFR抗体セツキシマブ(製品名:アービタックス)」。もう1つは、「エンコラフェニブ+セツキシマブ」です。今回の承認は、第3相BEACON CRC試験の結果に基づくものです。
BEACON CRC試験は、一次治療または二次治療後に進行したBRAFV600E変異がある治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸がんの患者さん665人を対象に、「エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ」または「エンコラフェニブ+セツキシマブ」を、対照化学療法の「イリノテカン+セツキシマブ」と比較した臨床試験です。
試験の結果、全生存期間の中央値が「エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ」9.0か月、「イリノテカン+セツキシマブ」5.4か月で、統計学的に有意な延長を示し、死亡リスクを48%低下させました。
また、「エンコラフェニブ+セツキシマブ」は、「イリノテカン+セツキシマブ」に対し全生存期間の統計学的に有意な延長を示し、死亡リスクを40%低下させました。