高齢者の肝臓がん手術、予後予測に有効な「G8スコア」を開発

文:がん+編集部

 高齢患者さんの栄養評価に基づく「G8スコア」が、術後の長期生存を予測できる最も有用なスクリーニングツールであることが明らかになりました。

術後のG8スコアの維持・改善によって、生存期間を延長できる可能性

 70歳以上で肝臓がんの肝切除術を受けた患者さん100人を対象に、認知機能や栄養状態、身体機能の状態、および併存疾患の有無などについての8種類の高齢者総合機能評価を検証した結果、「G8スコア」が術後の長期生存を予測できる最も有用なスクリーニングツールであることを明らかにしたと発表しました。同大外科学講座の海堀昌樹診療教授、国立がん研究センター東病院先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野の小川朝生分野長、京都府立医科大学数学教室の吉井健吾講師らの研究グループによるものです。

 高齢者のがん手術は、術後合併症の可能性や入院期間の長期化、術後死亡リスクなどが高いとされており、外科治療のリスク評価はできるだけ正確に行われる必要があります。そのため、特に高齢者の手術が決定してから手術を終えて退院するまでの、総合的な判断基準の確立が求められてきました。

 今回、70歳以上の肝臓がんで肝切除術を受けた患者さんについて術前・術後6か月に、高齢者総合機能評価の各指標を比較検証し、最も予後予測に有効な指標としてG8スコアを特定しました。G8スコアは、栄養状態、認知機能、日常生活動作、併存疾患の有無などに関する8項目の質問項目で構成された調査票「G8スクリーニング」の点数です。また、術後のG8スコアの維持・改善によって、生存期間を延長できる可能性も示唆されました。

 研究グループは、今回の発表について、次のように述べています。

 「高齢者がん手術における予後改善・生存期間の延長・手術メリットの最大化のためには、高齢者の特性を十分に理解した上で、長期的な栄養管理と運動を含めたリハビリテーションを行っていくことが重要、かつ有効であると考えられます」