モボセルチニブ、EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性の非小細胞肺がん治療薬としてFDAが優先審査指定

文:がん+編集部

 EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性の非小細胞肺がんに対する経口チロシンキナーゼ阻害薬「モボセルチニブ」を、米国食品医薬品局(FDA)が優先審査指定しました。

モボセルチニブ、第1/2相試験で臨床的に意義のある持続的な奏効を示す

 武田薬品工業は4月28日、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴があるEGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性の非小細胞肺がん患者さんに対する治療薬として、モボセルチニブの承認申請をFDAが優先審査に指定したことを発表しました。

 今回の承認申請は、「モボセルチニブ+化学療法」併用療法の安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験の結果に基づくものです。プラチナ製剤による前治療を受けたEGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん患者さん114人を対象に、モボセルチニブ160mgが1日1回経口投与され評価が行われました。

 解析の結果、治験責任医師の判定による奏効率35%、独立判定委員会の判定による奏効率28%で、臨床的に意義のある奏効が示され、奏効期間(中央値)17.5か月と持続的な奏効が認められました。

 安全性に関して、20%以上で認められた治療関連有害事象は、下痢(90%)、発疹(45%)、爪囲炎(34%)、悪心(32%)、食欲不振(32%)、皮膚乾燥(30%)および嘔吐(30%)でした。グレード3以上で5%以上に認められた治療関連有害事象は、下痢(21%)で、投与中止に至った有害事象は19例(17%)に認められ、主なものは下痢(4%)および悪心(4%)でした。

 同社のOncology Therapeutic Area UnitのHeadであるChristopher Arendt氏は、次のように述べています。

 「EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの患者さんは、生存率が好ましくなく、既存の治療選択肢があまり効果をもたらさないことから、大きな困難に直面しています。プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴を有するEGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんの患者さんに、有効な経口治療薬としてモボセルチニブをお届けできることに一歩前進したことを嬉しく思います。米国や世界中の規制当局と継続して協議を進めてまいります」