「イミフィンジ+オレクルマブ/モナリズマブ」、ステージ3非小細胞肺がんに対し、無増悪生存期間と奏効率を改善

文:がん+編集部

 局所進行性の切除不能なステージ3の非小細胞肺がんに対し、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+オレクルマブまたはモナリズマブ」併用療法を評価したCOAST試験の結果、無増悪生存期間と奏効率の改善が認められました。

病勢進行または死亡リスクを「イミフィンジ+オレクルマブ」は56%、「イミフィンジ+モナリズマブ」は35%低下

 アストラゼネカは9月17日、大規模無作為化臨床試験である第2相COAST試験の良好な結果を発表しました。

 COAST試験は、化学放射線療法後に増悪が認められない局所進行性の切除不能なステージ3の非小細胞肺がん患者さん189人を対象に、デュルバルマブ単独、「デュルバルマブ+オレクルマブまたはモナリズマブ」併用療法の安全性と有効性を比較した第2相試験です。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は安全性、奏効期間、全生存期間、無増悪生存期間などです。

 追跡期間11.5か月(中央値)の中間解析の結果、デュルバルマブ単独に比べ「デュルバルマブ+オレクルマブ」併用療法は、病勢進行または死亡リスクを56%、「デュルバルマブ+モナリズマブ」併用療法でも35%低下しました。10か月後の無増悪生存割合は、「デュルバルマブ+オレクルマブ」併用療法64.8%、「デュルバルマブ+モナリズマブ」併用療法72.7%、デュルバルマブ単独は39.2%でした。

 主要評価項目の奏効率の解析結果では、デュルバルマブ単独18%に対し、「デュルバルマブ+オレクルマブ」併用療法30%、「デュルバルマブ+モナリズマブ」併用療法36%でした。

 安全性に関しては、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。グレード3以上の有害事象は、デュルバルマブ単独39.4%、「デュルバルマブ+オレクルマブ」併用療法40.7%、「デュルバルマブ+モナリズマブ」併用療法27.9%でした。最も多かったグレード3/4の有害事象は呼吸困難で、グレード3/4の非感染性肺炎は、「デュルバルマブ+モナリズマブ」併用療法の患者さん1人(1.6%)で報告されました。

 オレクルマブは、CD73を標的とした分子標的薬です。CD73は、腫瘍微小環境で過剰発現し、がん細胞に対する免疫を制限することでがん細胞の増殖を促進する細胞表面酵素です。オレクルマブは、CD73と選択的に結合しその活性を阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。

 モナリズマブは、抗NKG2A抗体という免疫チェックポイント阻害薬です。NKG2Aは、がん細胞に浸潤する細胞傷害性T細胞とNK細胞に発現する免疫チェックポイント受容体です。モナリズマブは、NKG2Aの働きを阻害することで、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。

 Yale Cancer Center、およびコネチカット州ニューヘブンのSmilow Cancer Hospital腫瘍内科主任でCOAST試験の運営委員会委員長のRoy S.Herbst医学博士は、次のように述べています。

 「イミフィンジは切除不能なステージ3の非小細胞肺がん患者さんに対する確立された標準治療薬となっていますが、現在承認されている治療法では効果を得られない患者さんにとっては依然として解決策が必要です。安全性プロファイルとともに、イミフィンジとオレクルマブあるいはモナリズマブとの併用療法から確認された顕著な改善は、この新しい併用療法がこれらの患者さんたちの転帰をさらに再定義できる可能性を示唆しています」