cilta-cel、再発または難治性の多発性骨髄腫の適応で国内申請
2022/01/13
文:がん+編集部
BCMAを標的とするCAR-T細胞療法薬「シルタカブタジン オートルーセル(cilta-cel)」が、再発または難治性の多発性骨髄腫の適応で厚生労働省に承認申請されました。
CARTITUDE-1試験の結果、全奏効率97%/1年生存率89%
ヤンセンファーマは2021年12月7日、3ライン以上の前治療歴があり、かつプロテアソーム阻害薬、免疫調節薬および抗CD38抗体の治療歴がある再発または難治性多発性骨髄腫の適応で、シルタカブタジン オートルーセルの製造販売承認を厚生労働省に対し申請したことを発表しました。今回の申請は、CARTITUDE-1試験の結果に基づくものです。
CARTITUDE-1試験は、シルタカブタジン オートルーセルの安全性と有効性を評価した、第1b相と第2相の2つのパートで構成された臨床試験です。試験に参加したのは、再発または難治性多発性骨髄腫の成人患者さん113人で、そのうちの97人が解析の対象となりました。対象患者さんの99%は最終ラインの治療薬に対して抵抗性を示していた人で、88%が免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体に反応しない、または反応しなくなり、3種類のカテゴリの薬剤に対する抵抗性を示している人でした。
第1b相の主要評価項目は有害事象(全体、グレード別)があった患者さんの人数。第2相の主要評価項目は全奏効率で、副次的評価項目は有害事象、無増悪生存期間、全生存期間、奏効期間、安全性などでした。解析の結果、全奏効率は97%で、1か月後から応答が見られ、徐々に効果が深まりました。また、1年後の無増悪率は77%、全生存率は89%でした。
安全性に関して、グレード3または4の有害事象は、好中球減少症(95%)、貧血(68%)、白血球減少症(61%)、血小板減少症(60%)、リンパ球減少症(50%)が認められました。
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社 オンコロジー グローバル治療領域部門長のピーター・レボウイッツ医学博士は、次のように述べています。
「レジェンド・バイオテック社との緊密な連携により、cilta-celの開発を迅速に進め、日本において細胞治療製品を申請することができたことを、大変嬉しく思います。この度の申請は、科学を進展させ、世界の多発性骨髄腫の患者さんの健康状態を改善するという私たちのコミットメントを実現させるべく、私たちが注力していることの表れです」