「イミフィンジ+化学放射線療法」、局所進行の子宮頸がんに対し無増悪生存期間の延長を認めず

2022/04/25

文:がん+編集部

 局所進行の子宮頸がんに対し、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学放射線療法」を評価するCALLA試験の最新情報が発表されました。主要評価項目の無増悪生存期間の統計学的に有意な延長は認められませんでした。

子宮頸がんに対する標準治療は20年間変わらず、新たな治療選択のさらなる評価が必要

 アストラゼネカは2022年3月30日、第3相CALLA試験の結果を発表しました。

 CALLA試験は、局所進行子宮頸がん患者さん770人を対象に、標準治療の化学放射線療法と「デュルバルマブ+化学放射線療法」を比較した第3相試験です。参加した患者さんは、化学放射線療法と同時に、最大24サイクルまたは病勢進行まで4週間ごとに1,500mgの固定用量のデュルバルマブまたはプラセボのいずれかとの併用療法を受けました。主要評価項目は無増悪生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間、安全性および忍容性でした。

 主要評価項目の無増悪生存期間の解析では、「デュルバルマブ+化学放射線療法」は「プラセボ+化学放射線療法」と比較して、統計学的有意な無増悪生存期間の延長は認められませんでした。安全性および忍容性プロファイルは一貫しており、予期せぬ新たな安全性に関する知見は得られませんでした。

 アメリカ産科婦人科学会フェローおよびアメリカ外科学会フェローであり、アリゾナ大学医学部教授で、第3相CALLA試験の治験責任医師であるBradley Monk氏は、次のように述べています。

 「今回の結果は統計学的に有意ではなかったものの、新たな治療選択肢のさらなる評価の必要性を裏付けています。また、局所進行子宮頸がん患者さんの治療を改善する今後の方策に向けた情報源となります」