タグリッソ、ステージ1B~3AのEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として高い有効性を示す
2022/08/02
文:がん+編集部
ステージ1B~3AのEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)とプラセボを比較したADAURA試験で高い有効性が確認されました。
タグリッソ、術後補助療法として2年経過後の追跡解析でも有効性が持続していることを確認
アストラゼネカは2022年7月13日、ADAURA試験の事前に規定された解析結果を発表しました。
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除術後(補助化学療法実施の有無は医師と患者さんの判断)のEGFR遺伝子変異陽性のステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さん682人を対象に、術後補助療法としてオシメルチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目はステージ2および3Aの患者さんに対する無病生存期間、重要な副次評価項目はステージ1B、2および3Aの患者さんに対する無病生存期間です。
事前に規定された解析で、オシメルチニブはプラセボと比較して無病生存期間の臨床的に意義のある改善が維持されていることが確認されました。安全性に関しては、これまでに報告された安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
同社の執行役員 研究開発本部長の大津智子氏は、次のように述べています。
「第3相ADAURA試験の初期結果(ASCO2020 LBA5, N Engl J Med. 2020 ;383(18):1711-1723.)は、術後の早期EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにおいて、タグリッソが再発または死亡リスクを有意に低下させることを示しました。それから2年経過した現在、さらに蓄積された無病生存期間データは、タグリッソの治療ベネフィットが持続していることを示しており、私たちは、患者さんのがんの再発を抑制し、より長生きする一助となり得るタグリッソの可能性について期待しています。特に日本においては、欧米の患者さんと比べてEGFR遺伝子変異を有する肺がん患者さんが多いことから、一日も早く、早期肺がんの術後補助療法として、タグリッソの適応拡大が承認されることを期待しています」