切除不能な肝細胞がんを対象に「レンビマ+キイトルーダ」とレンビマを比較したLEAP-002試験の結果を発表

2022/08/24

文:がん+編集部

 切除不能な肝細胞がんを対象に、「レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法とレンバチニブを比較したLEAP-002試験の結果を発表。全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目が、未達という結果でした。

「レンビマ+キイトルーダ」、全生存期間・無増悪生存期間の2つの主要評価項目が未達

 エーザイと米メルク社は2022年8月3日、切除不能肝細胞がんを対象に、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法とレンバチニブ単剤療法を比較したLEAP-002試験で、全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目が未達となったことを発表しました。

 LEAP-002試験は、切除不能肝細胞がん患者さん794人を対象に、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法と「レンバチニブ+プラセボ」を1:1で割付けた第3相試験です。

 「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法受けた患者さんに対しては、レンバチニブ(12mg [スクリーニング時の体重が60kg以上の場合]または8mg[スクリーニング時の体重が60kg未満の場合]、1日1回経口投与)とペムブロリズマブ(200mg、3週ごとに静脈内投与)が併用されました。

 「レンバチニブ+プラセボ」を受けた患者さんに対しては、「レンバチニブ」(12mg [スクリーニング時の体重が60kg以上の場合]または8mg[スクリーニング時の体重が60kg未満の場合]、1日1回経口投与)とプラセボの生理食塩水(3週ごとに静脈内投与)が併用されました。

 主要評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、副次的評価項目は全奏効率、奏効期間でした。

 解析の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法は、「レンバチニブ+プラセボ」に対し改善傾向は示しましたが、事前に設定された統計学的有意性の基準は満たしませんでした。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと同様でした。

 米メルク社の研究開発本部グローバル臨床開発のバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、次のように述べています。

 「キイトルーダとレンビマとの併用療法に関する両社共同の臨床開発プログラムは、肝細胞がんのような治療が困難ながん患者さんのアンメットニーズに応えるようにデザインされています。我々は、これまでに認められた多くのエビデンスに基づき、本併用療法のポテンシャルに自信を持っており、引き続き、多くのがん種における本併用療法の果たす役割を検討していきます」

 また、エーザイのオンコロジー クリニカルリサーチ シニアバイスプレジデントであるCorina Ductus医師は、次のように述べています。

 「LEAP-002試験では、切除不能肝細胞がんの治療のさらなる改善を企図して、レンビマとキイトルーダとの併用療法の比較対照に、標準療法であるレンビマ単剤療法を採用しました。本併用療法の成績は我々の期待するものではありませんでしたが、本試験から得られた貴重な知見を活かし、引き続き、肝細胞がん患者様への貢献を果たしていきます」