アベクマ、標準治療と比較したKarMMa-3試験の最新データを発表

2022/09/13

文:がん+編集部

 再発および難治性多発性骨髄腫に対し、イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)と標準治療を比較したKarMMa-3試験の最新データが発表されました。主要評価項目の無増悪生存期間の改善が認められました。

アベクマ、標準治療と比較して無増悪生存期間の統計学的に有意な改善を示す

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社と2seventy bio社は2022年8月10日、イデカブタゲン ビクルユーセルと標準治療を比較評価したKarMMa-3試験の最新データを発表しました。

 KarMMa-3試験は、2~4回の前治療歴があり、直近の治療に難治性であった再発および難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、イデカブタゲン ビクルユーセルと標準治療を比較した第3相試験です。標準治療は、ダラツムマブ(製品名:ダラザレックス)、ポマリドミド(製品名:ポマリスト)、デキサメタゾン(製品名:デカドロン)、ボルテゾミブ(製品名:ベルケイド)、イキサゾミブ(製品名:ニンラーロ)、レナリドミド(製品名:レブラミド)、カルフィルゾミブ(製品名:カイプロリス)、エロツズマブ(製品名:エムプリシティ)を含む併用療法で構成されました。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は奏効率、全生存期間などでした。

 あらかじめ計画された中間解析の結果、イデカブタゲン ビクルユーセルは標準治療と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的に有意な改善を達成。また、主な副次評価項目である奏効率も改善を示しました。もうひとつの副次評価項目である全生存期間の追跡調査は、現在も継続中です。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社の細胞療法開発責任者でシニアバイスプレジデントのAnne Kerber氏は、次のように述べています。

 「KarMMa-3試験の結果は、多発性骨髄腫治療の早期段階でCAR T細胞療法を使用する臨床ベネフィットを明確に示しています。これらのデータは、細胞療法の可能性を最大限に引き出すことを目指す私たちのコミットメントを後押しするものです。今後も、血液がん領域における当社のイノベーションの実績に基づき、サイエンスを通じて患者さんの人生に違いをもたらすべく注力していきます」

 また、2seventy bio社の最高医療責任者であるSteve Bernstein医師は、次のように述べています。

 「KarMMa-3試験の主要評価項目が中間解析で達成され、非常に嬉しく思います。これらの結果は、早期治療ラインの患者さんにアベクマを届けるための私たちの取り組みを進展させるものであり、規制当局との今後の協議に期待しています。本日の結果により、自家細胞療法の革新的なポテンシャルがさらに実証されるとともに、多発性骨髄腫の早期治療段階においてアベクマの研究を継続する重要性が裏付けられました」