Claudin 18.2を標的とする「CMG901」について、アストラゼネカ社とKYM Biosciences社がライセンス契約を締結

2023/03/29

文:がん+編集部

 胃がんの治療ターゲットである「Claudin 18.2」を標的とする抗体薬物複合体「CMG901」について、アストラゼネカ社とKYM Biosciences社が独占的なグローバルライセンス契約を締結しました。

CMG901、抗Claudin 18.2モノクローナル抗体と「MMAE」を結合させた抗体薬物複合体

 アストラゼネカ社とKYM Biosciences社は2023年2月23日、胃がんの有望な治療ターゲットである「Claudin 18.2」を標的とする抗体薬物複合体「CMG901」について、独占的なグローバルライセンス契約を締結したことを発表しました。

 CMG901は、抗Claudin 18.2モノクローナル抗体と細胞毒性がある低分子モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を結合させた抗体薬物複合体です。CMG901は、細胞表面にタンパク質Claudin 18.2を発現する胃がんなどの固形腫瘍の治療薬として開発中です。

 アストラゼネカの生物学的製剤エンジニアリング&オンコロジー・ターゲットデリバリー兼オンコロジーR&DシニアバイスプレジデントであるPuja Sapra氏は、次のように述べています。

 「Claudin 18.2が発現しているがん患者さんの新たな治療薬候補であるCMG901の開発を加速できる機会を得たことを大変嬉しく思います。CMG901は、当社の抗体薬物複合体のパイプラインを強化するとともに、消化器がん患者さんの治療オプションを拡大し、治療アウトカムを変革するという私たちの大きな目標を後押しします」

 Keymed社の最高経営責任者兼KYM Biosciences社の取締役会長であるBo Chen博士は、次のように述べています。

 「グローバルバイオ医薬品企業であり、新規抗がん剤の開発と商業化においてリーダーシップを発揮しているアストラゼネカとの契約締結を発表することができ、大変嬉しく思います。今回の契約はClaudin 18.2を標的とするファースト・イン・クラスの抗体薬物複合体候補であるCMG901だけでなく、Keymed社の創薬力と開発力も評価していただいた結果です。この度のグローバル規模の契約により、中国をはじめとする、世界中の患者さんに本製剤のベネフィットを提供できる可能性があります」