EGFR遺伝子変異陽性の進行肺がんを対象にタグリッソを評価したFLAURA2試験の結果を発表
2023/06/05
文:がん+編集部
EGFR遺伝子変異陽性の進行肺がんを対象に、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)を評価したFLAURA2試験の結果を発表。「オシメルチニブ+化学療法」併用療法は、オシメルチニブ単独療法と比較した無増悪生存期間の改善を示しました。
「タグリッソ+化学療法」併用療法、タグリッソ単独療法と比較して無増悪生存期間を改善
アストラゼネカは2023年5月17日、FLAURA2試験の良好な結果概要を発表しました。
FLAURA2試験は、ステージ3B~3Cの局所進行またはステージ4の転移性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さん586人を対象に、一次治療として「オシメルチニブ+化学療法」併用療法とオシメルチニブ単独療法を比較した第3相試験です。「オシメルチニブ+化学療法」併用療法では、オシメルチニブ80mgの経口錠剤1日1回と、化学療法としてペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5)を3週間ごとに4サイクル投与され、その後は維持療法としてオシメルチニブとペメトレキセドが3週間ごとに投与されました。
主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間などでした。
解析の結果、「オシメルチニブ+化学療法」併用療法では、オシメルチニブ単独療法と比較して無増悪生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。
Dana-Farberがん研究所の腫瘍内科医でありFLAURA2試験の治験責任医師であるPasi A.Jänne医学博士は、次のように述べています。
「タグリッソの単剤療法はEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対する世界的な標準治療として、この疾患における治療を変え、多くの患者さんに対して生存率改善の機会を提供してきました。FLAURA2試験の結果は、タグリッソと化学療法の併用療法が、タグリッソ単剤療法と比較して薬剤耐性および病勢進行の期間を遅らせたことにより、患者さんおよび臨床医にとって新たな選択肢として説得力のあるエビデンスを示しました」