腎摘除術後の特定の腎細胞がんに対する術後補助療法としてキイトルーダを評価したKEYNOTE-564試験の結果を発表

2024/01/30

文:がん+編集部

 腎摘除術後の再発リスクが中~高度もしくは高度、または腎摘除後および転移巣切除後の腎細胞がんに対する術後補助療法として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を評価したKEYNOTE-564試験の結果を発表。プラセボと比較した全生存期間の有意な延長が認められました。

キイトルーダ、プラセボと比較して全生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意味のある改善を示す

 米メルク社は2023年11月1日、KEYNOTE-564試験の事前に規定された中間解析の結果を発表しました。

 KEYNOTE-564試験は、腎摘除術後の再発リスクが中~高度もしくは高度、または腎摘除後および転移巣切除後の腎細胞がん患者さん994人を対象に、術後補助療法としてペムブロリズマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は治験担当医師が評価する無病生存期間、副次評価項目は全生存期間、安全性などでした。

 解析の結果、ペムブロリズマブではプラセボと比較して全生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意味のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者かつシニアバイスプレジデントのマージョリー・グリーン博士は、次のように述べています。

 「当社は複数の早期がんに対するキイトルーダの可能性を評価しており、疾患の再発を抑制し、究極的には全生存期間を延長できると期待しています。KEYNOTE-564試験の新たな結果は注目に値するものであり、手術後の再発リスクの高い腎細胞がんの患者さんに対し、プラセボと比較して全生存期間が統計学的に有意に延長した初の試験となります。この試験では優れた無病生存期間の結果も得られており、これに基づき、このキイトルーダレジメンは世界中で承認されています」