医師主導PATHWAY試験の結果に基づきイブランスの添付文書改訂
2024/03/04
文:がん+編集部
ホルモン受容体陽性・HER2陰性の進行または転移性乳がんを対象に、「パルボシクリブ(製品名:イブランス)+タモキシフェン」併用療法を評価したPATHWAY試験の良好な結果に基づいてパルボシクリブの添付文書が改訂され、同疾患に対する治療選択肢の1つとなりました。
「イブランス+タモキシフェン」、HR陽性HER2陰性の進行または転移性乳がんに対する治療選択肢として追加
国立がん研究センターは2024年1月15日、PATHWAY試験の結果によりパルボシクリブの添付文書が改訂されたことを発表しました。
PATHWAY試験は、ホルモン受容体陽性/HER2陰性の閉経前・閉経後進行または転移性乳がん女性患者さん184人を対象に、「パルボシクリブ+タモキシフェン」併用療法を評価した医師主導の試験です。
PATHWAY試験で有効性と安全性が確認されたことに基づき、パルボシクリブを開発・販売するファイザー株式会社から、PMDAに医薬品添付文書改訂相談が行われ、パルボシクリブの添付文書が改訂されました。これにより、ホルモン受容体陽性/HER2陰性の乳がん患者さんに対するパルボシクリブと内分泌療法の併用療法において、タモキシフェンとの併用が新たな治療選択肢となりました。
同研究センターは今後の展望として、次のように述べています。
「今回の添付文書改訂は、国立がん研究センター中央病院(アカデミア)が国際共同医師主導治験を主導し、国を超えたアジア地域での国際共同治験を主導することで、アンメット・メディカルニーズを満たした成功例です。また、今回の添付文書改訂は、アジアにおける国際共同医師主導治験で国立がん研究センター中央病院のイニシアチブが示されたものです。国立がん研究センター中央病院は、この試験で培った国際共同医師主導治験のノウハウを活用し、国内外の医療現場により多くの新しい治療薬・治療法を提供できるよう取り組んでまいります」