早期乳がん患者さん対象にウェアラブルデバイスで身体活動量評価する「TRACK-BC」研究開始

2024/05/27

文:がん+編集部

 早期乳がん患者さんを対象に、ウェアラブルデバイスを用いて身体活動量を評価する臨床研究「TRACK-BC」が開始されました。

患者さんの健康促進・予防・治療・予後のケアにわたるトータルケアエコシステムの構築を促進するための研究

 第一三共株式会社は2024年5月8日、早期乳がん患者さんを対象に、ウェアラブルデバイス「Fitbit」を用いて身体活動量を評価する「TRACK-BC」研究を開始したことを発表しました。

 TRACK-BC研究は、トータルケアエコシステムの構築の一環として、Fitbitと患者情報などを記録するスマートフォンアプリを用いて、術前化学療法を開始する早期乳がん患者さんの化学療法に伴う身体活動量の変化を明らかにすること、身体活動量の変化と健康状態の変化の関連性を評価することを目的とした臨床研究です。

 トータルケアエコシステムは、患者さんや生活者一人ひとりの困りごとを解決し幸せを実現することを目的として、健康・医療領域の企業・団体やデータプロバイダー・IT 企業などが協働し、健康促進・予防・治療・予後ケアにわたるトータルケアを創出し、提供するエコシステムのことです。

 本研究により、早期乳がん患者さんの身体活動量の低下時期などが明らかになることは、治療を受けながら働く女性の就労スケジュールやライフイベントの計画、仕事の配分、休息やサポート体制の確保などに貢献することが期待されます。

 同社は、次のように述べています。

 「トータルケアエコシステムの構築の一環として、本研究で取得したデータをトータルケアプラットフォーム上で利活用する仕組みの構築を目指し、将来的には診断支援技術や新たなサービスの開発に展開してまいります。第5期中期経営計画において、トータルケアプラットフォームを軸としたデータの統合・活用により、一人ひとりに寄り添ったシームレスなトータルケアを提供することを目指しております。本研究や今後の取り組みを通じて、個人の健康促進から、予防、治療、予後のケアにわたるトータルケアエコシステムの構築を促進してまいります」