再発・転移性の頭頸部がん対象、「アルミノックス治療+抗PD-1抗体」を評価した臨床試験結果を発表

2024/06/24

文:がん+編集部

 再発または転移性の頭頸部がんを対象に「アルミノックス治療+抗PD-1抗体」を評価したASP-1929-181試験の中間解析結果が、米国臨床腫瘍学会2024年次総会(ASCO 2024)で発表されました。

「アルミノックス治療+抗PD-1抗体」、臨床的に意義のある有効性と管理可能な安全性・忍容性を確認

 楽天メディカルは2024年6月2日、ASP-1929-181試験の中間解析結果から、再発または転移性の頭頸部扁平上皮がんに対する安全性および有効性の最新データについてASCO 2024で報告したことを発表しました。

 ASP-1929-181試験は、再発性または転移性の頭頸部および扁平上皮がん、あるいは進行性または転移性の皮膚扁平上皮がんの患者さんを対象に、「アルミノックス治療+抗PD-1抗体」の安全性と有効性を評価した3つのコホートで構成された1b/2相試験です。主要評価項目は有害事象、重篤な有害事象、客観的奏効率、副次的評価項目は全生存期間、無増悪生存期間などでした。

 再発または転移性の頭頸部扁平上皮がん患者さん19人の解析の結果、全生存期間の中央値は未到達でしたが24か月時点の推定全生存率は52.4%でした。客観的奏効率は35.3%、うち完全奏効が23.5%、部分奏効が11.8%でした。奏効までの期間中央値は1.4か月で、無増悪生存期間の中央値は2.9か月でした。

 安全性に関しては、有害事象は管理可能で、忍容性は概ね良好でした。死亡に至る重篤な有害事象はなく、グレード4が2人で認められました。光免疫療法に関連した喉頭浮腫と治験治療に関連しない腫瘍出血が認められましたが、いずれも消失しました。ASP-1929と抗PD-1抗体の併用により相乗的に引き起こされる重篤な有害事象は認められませんでした。

 同社は、次のように述べています。

 「今回の中間評価データにより、本併用療法の有効性・安全性についてさらに検証するための、追加の臨床試験の意義が改めて確認されました。本データをもとに、楽天メディカルは、再発頭頸部扁平上皮がんに対するファーストライン(一次)治療として本併用療法を検討する新たな国際共同第3相臨床試験を、2024年下期にも開始する予定です」