切除可能なステージ2A~3Bの非小細胞肺がんを対象にオプジーボレジメンを評価した臨床試験の結果を発表
2024/06/25
文:がん+編集部
切除可能なステージ2A~3Bの非小細胞肺がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」による術前補助療法と、それに続く手術とニボルマブによる術後補助療法の周術期療法レジメンを評価したCheckMate-77T試験の結果を発表。無イベント生存期間および病理学的完全奏効の改善が認められました。
オプジーボによる周術期療法レジメン、プラセボと比較して無イベント生存期間を改善
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年6月3日、CheckMate-77T試験の結果を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で発表したと報告しました。
CheckMate-77T試験は、切除可能なステージ2~3Bの非小細胞肺がんを対象に、「ニボルマブ+化学療法」による術前補助療法とそれに続く手術後のニボルマブによる術後補助療法の周術期療法レジメンを、「プラセボ+化学療法」による術前補助療法とプラセボによる術後補助療法のレジメンと比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、副次評価項目は全生存期間、病理学的完全奏効、Major Pathological Responseなどでした。
解析の結果、ニボルマブによる周術期療法レジメンは、プラセボによる術前・術後補助療法のレジメンと比較して、リンパ節転移の有無に関わらず、N2(5年生存率が不良とされるサブグループ)患者さんの病勢進行・再発・死亡リスクを54%低下し、無イベント生存期間の中央値を延長しました(ニボルマブ30.2か月、プラセボ10.0か月)。非N2患者さんにおける無イベント生存期間の中央値は、ニボルマブは未達、プラセボ17.0か月でした。1年無イベント生存率は、いずれのサブグループでも、ニボルマブによる周術期療法レジメンでより高い値を示しました。手術後の病理学的完全奏効率に関しては、ニボルマブによる周術期療法レジメンはプラセボと比較して、いずれのサブグループにおいてもニボルマブによる周術期療法レジメンでより高いことが示されました。
安全性に関しては、グレード3~4の治療に関連する有害事象の発現率は、N2患者さんでは、ニボルマブによる周術期療法レジメンが34%、プラセボレジメンが26%でした。非N2患者さんでは、ニボルマブによる周術期療法レジメンが29%、プラセボによる術前補助療法レジメンが21%でした。