再発または難治性の多発性骨髄腫を対象にテクベイリを評価したMajesTEC-1試験の結果を発表

2024/07/18

文:がん+編集部

 3種類以上の治療歴がある再発または難治性の多発性骨髄腫を対象に、テクリスタマブ(製品名:テクベイリ)を評価したMajesTEC-1試験の結果を発表。深く持続的な奏効が認められました。

テクベイリ、全奏効率63%で完全奏効以上は46%

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは2024年6月3日、MajesTEC-1試験の結果を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で報告したことを発表しました。

 MajesTEC-1試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38モノクローナル抗体製薬による治療歴のある成人の再発または難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクリスタマブの安全性と有効性を評価した用量漸増(パート1)と用量拡大(パート2)の2つのパートで構成された第1/2相試験です。パート1では、テクリスタマブの安全性、忍容性、薬物動態、予備的有効性が評価され、パート2では、1.5 mg/kgの週1回皮下投与で設定されたテクリスタマブの全奏効率が評価されました。

 30.4か月(中央値)の追跡調査の結果、テクリスタマブの全奏効率は63%で、46%が完全奏効以上でした。また、完全奏効以上の患者さんにおいて、奏効持続期間中央値、無増悪生存期間中央値、生存期間中央値は未達で、30か月時点で推定された奏効持続率は61%、無増悪生存率は61%、全生存率は74%でした。

 安全性プロファイルは一貫しており、重度の感染症の新規発症は時間の経過とともに減少しました。有害事象には、好中球減少症(全グレード:72%、グレード3~4:66%)、貧血(全グレード:55%、グレード3~4:38%)、血小板減少症(全グレード:42%、グレード3~4:23%)、リンパ球減少症(全グレード:36%、グレード3~4:35%)、感染症(全グレード:79%、グレード3~4:55%)などが認められました。グレード5の感染症22件のうち、18件はCOVID-19によるものでした。

 同社のInnovative Medicineのオンコロジー研究開発部 Vice PresidentのRachel Kobos医師は、次のように述べています。

 「過去2年間で、テクベイリは1万人以上の再発または難治性の多発性骨髄腫の患者さんに投与されました。私たちは、強固な臨床データとリアルワールドエビデンスを基に、またチームの専門知識を活用することで、骨髄腫患者さんのアンメットニーズに対処し、フロントライン治療をはじめとする治療全体で投与可能な、新たな治療選択肢の開発を行うため、引き続き取り組んでいます」