急性骨髄性白血病に対するキザルチニブとミラデメタン併用療法の治験開始

2019/01/08

文:がん+編集部

 急性骨髄性白血病に対するキザルチニブ(製品名:ヴァンフリタ)とミラデメタン併用療法を評価する第1相臨床試験で、最初の患者さんへの投与が開始されました。

キザルチニブとミラデメタン併用療法の安全性を確認するための第1相試験

  第一三共株式会社は2018年12月20日、急性骨髄性白血病に対するキザルチニブとミラデメタン併用療法の治験を開始し、最初の患者へ投与を始めたと発表しました。同試験は、FLT3-ITD変異のある再発または難治性の急性骨髄性白血病患者さんとFLT3-ITD変異がありながら強力な化学療法が受けられない新規の急性骨髄性白血病患者さんを対象としています。

 臨床試験は2つのパートで構成され、パート1では両剤の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大用量とパート2での推奨用量を決定します。パート2では、推奨用量での安全性と忍容性を評価し、第2相臨床試験のための推奨用量を決定します。主要評価項目は安全性、副次的評価項目は薬物動態と予備的な有効性です。

 キザルチニブは、FLT3-ITD変異がある再発または難治性の急性骨髄性白血病患者さんを対象としたグローバル第3相臨床試験(QuANTUM-R試験)の結果などに基づき、日本、米国、欧州で承認申請されています。ミラデメタンは、固形がんと血液がん患者さんを対象とした第1相臨床試験を実施中です。また、両剤の併用は、急性骨髄性白血病の疾患動物モデルを用いた非臨床試験で、単剤と比較して相乗効果があることが示唆されています。

Milademetan Plus Quizartinib Combination Study in FLT3-ITD Mutant Acute Myeloid Leukemia (AML)

対象:急性骨髄性白血病
条件:FLT3-ITD変異のある再発・難治性、またはFLT3-ITD変異がありながら強力な化学療法が受けられない患者さんが対象
フェーズ:第1相臨床試験
試験デザイン:単一グループ、オープンラベル
登録数:156人
試験群:キザルチニブ+ミラデメタン併用
主要評価項目:用量制限毒性の患者数、試験期間中の有害事象
副次的評価項目:薬物動態、予備的な有効性