RM-1995によるイルノミックス治療(光免疫療法)の臨床試験を実施するための申請資料をFDAが受理
2022/01/26
文:がん+編集部
RM-1995によるイルノミックス治療(光免疫療法)の臨床試験を実施するための申請資料を米国食品医薬品局(FDA)が受理。標準治療後の進行または再発の皮膚扁平上皮がんおよび頭頸部扁平上皮がんが対象です。
RM-1995、制御性T細胞を標的とした新たなイルノミックス治療(光免疫療法)薬
楽天メディカルは2021年12月16日、標準治療後の進行または再発の皮膚扁平上皮がんおよび頭頸部扁平上皮がんを対象に、RM-1995による光免疫療法の臨床試験を実施するための申請資料がFDAに受理されたことを発表しました。
RM-1995は、T細胞を抑制する制御性T細胞の表面に発現する「CD25」に特異的に結合するモノクローナル抗体(抗CD25抗体)と、光感受性物質IR700を結合させた新薬候補化合物です。抗CD25抗体を制御性T細胞と結合させ、抗CD25に付加されているIR700を活性化させる波長690nmのレーザをがん細胞に照射することで、がん細胞内の制御性T細胞を破壊します。がん細胞内でT細胞を抑制していた制御性T細胞が破壊されることで、局所および全身のがん細胞に対して抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。前臨床試験では、制御性T細胞を標的としたがん光免疫療法の抗腫瘍効果とそのメカニズムは確認されています。
同社のチーフ・エグゼクティブ・オフィサーである三木谷 浩史氏は、次のように述べています。
「RM-1995の臨床試験を実施するための申請資料が受理されるという薬事プロセス上の重要な節目を迎えることができ、大変嬉しく思います。本化合物を用いたイルミノックス治療(光免疫療法)は、制御性T細胞を標的とした新しい方法でがんを攻撃できる可能性があります。本治療の前臨床試験データによると、腫瘍内の制御性T細胞を急速に破壊させることができることが考えられます。当社は、創薬プログラム『イルミノックス・パレット』において、様々な抗体を用いて薬剤の研究・開発を進めています。RM-1995もその一つで、イルミノックス プラットフォームを基に当社が開発を進めている2つ目の薬剤です。今後も、一人でも多くの患者さんにイルミノックス治療をお届けできるよう、スピード感をもって事業を進めてまいります」