Opdualag、PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として欧州委員会が承認

2022/10/14

文:がん+編集部

 PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とレラトリマブの固定用量配合剤「Opdualag」が、欧州委員会から承認されました。

Opdualag、オプジーボ単剤と比較して病勢進行または死亡リスクを32%低下

 小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年9月16日、ニボルマブと抗LAG-3抗体レラトリマブの固定用量配合剤「Opdualag」が、PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、欧州委員会から承認されたことを発表しました。今回の承認は、RELATIVITY-047試験の結果に基づくものです。

 RELATIVITY-047試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者さん714人を対象に、Opdualagとニボルマブ単剤療法を比較した第2/3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、奏効率などでした。

 無増悪生存期間(中央値)の解析の結果、Opdualag6.7か月、ニボルマブ単剤3.0か月で、病勢進行または死亡リスクを32%低下しました。

 安全性に関しては、新たな安全性シグナルは認められませんでした。多く報告された副作用は、疲労(41%)、筋骨格痛(32%)、発疹(29%)、関節痛(26%)、下痢(26%)、そう痒症(26%)、頭痛(20%)、悪心(19%)、咳嗽(16%)、食欲減退(16%)、甲状腺機能低下症(16%)、腹痛(14%)、白斑(13%)、発熱(12%)、便秘(11%)、尿路感染症(11%)、呼吸困難(10%)、嘔吐(10%)でした。また、多く報告された重篤な副作用は、副腎機能不全(1.4%)、貧血(1.4%)、背部痛(1.1%)、大腸炎(1.1%)、下痢(1.1%)、 心筋炎(1.1%)、肺炎(1.1%)、尿路感染症(1.1%)でした。グレード3~5の副作用の発現率は、Opdualag43%、ニボルマブ単剤35%でした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社のエグゼクティブ・バイスプレジデント、最高医療責任者兼グローバル医薬品開発担当であるSamit Hirawat医師は、次のように述べています。「Opdualagは、進行悪性黒色腫に対して欧州連合で承認された最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法です。RELATIVITY-047試験では、新たな免疫療法薬の併用療法によって、LAG-3およびPD-L1の両方を阻害することの重要なベネフィットが示されました。今回の承認は、悪性黒色腫の成人および小児/青年期患者さんに革新的な医薬品をお届けするための私たちの継続的な取り組みによるものです。これまでの進展にご貢献いただき、今回の承認の実現にご尽力いただきました患者さん、研究者および医師の皆様に心より感謝を申し上げます」