Camizestrant、ER陽性の進行乳がん患者を対象にしたSERENA-2試験で無増悪生存期間を延長
2022/11/28
文:がん+編集部
エストロゲン受容体(ER)陽性の進行乳がん患者さんを対象に、camizestrantとフェソロデックス(製品名:フルベストラント)を比較したSERENA-2試験の結果が発表されました。Camizestrantは、フェソロデックスと比較して無増悪生存期間の延長が認められました。
Camizestrant、次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬
アストラゼネカは2022年10月26日、ER陽性の進行乳がん患者さんを対象に、次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬camizestrantを評価したSERENA-2試験の結果を発表しました。
SERENA-2試験は、ER陽性HER2陰性の進行乳がん患者さん240人を対象に、複数用量のcamizestrantとフェソロデックスを比較した第2相試験です。主要評価項目はフェソロデックス(500mg)と比較したcamizestrant(75mg)の無増悪生存期間、フェソロデックスとの比較によるcamizestrant(150mg)の無増悪生存期間、副次評価項目は、24週目の安全性、客観的奏効率、臨床的ベネフィット率などでした。
解析の結果、camizestrant 75mgと150mgの2つの用量で、フェソロデックスと比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
SERENA-2試験の治験責任医師である、Vall d‘Hebron Institute of OncologyのMafalda Oliveira氏は、次のように述べています。
「SERENA-2試験の結果は、HR陽性の乳がん患者さんの治療として約20年間使用されているフルベストラントと比較してcamizestrantが無増悪生存期間の有意な延長をもたらしたことを示しています。この結果は、次世代経口SERDの可能性を明らかにし、進行中の研究プログラムを後押しする大きな意味を持つものであると言えます」