根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんを対象にオプジーボを評価したCheckMate-274試験の追跡結果発表
2023/03/06
文:がん+編集部
根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんに対する術後補助療法として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)を評価したCheckMate-274試験の3年間の追跡調査において、持続的な臨床ベネフィットが引き続き認められました。
オプジーボ、プラセボと比較して有意かつ持続的な臨床ベネフィットを引き続き示す
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年2月17日、CheckMate-274試験の3年間の追跡調査の結果を発表しました。
CheckMate-274試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者さん709人を対象に、ニボルマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は、全無作為化患者さんおよびPD-L1発現レベルが1%以上の患さんにおける無病生存期間、主な副次評価項目は全生存期間、非尿路上皮無再発生存期間、疾患特異的生存期間でした。主な探索的評価項目は、無遠隔転移生存期間、生活の質、2次治療までの無増悪生存期間でした。
3年間の追跡調査の結果、ニボルマブによる術後補助療法は、プラセボと比較して、全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者さんにおける無病生存期間、非尿路上皮無再発生存期間、無遠隔転移生存期間、2次治療までの無増悪生存期間の改善を引き続き示しました。
マウントサイナイ・アイカーン医科大学、ティッシュがん研究所のトランスレーショナル・リサーチ副所長、膀胱がんセンター・オブ・エクセレンス共同ディレクター、泌尿生殖器がん腫瘍内科部長、内科教授であるMatthew D. Galsky医師は、次のように述べています。
「筋層浸潤性尿路上皮がんの患者さんは、腫瘍の微小転移を原因とする再発リスクが高く、特に、膀胱または腎臓を切除してから3年以内に再発する場合が多くなっています。CheckMate-274試験の3年間にわたる長期追跡調査の結果では、ニボルマブの術後補助療法による再発リスクの持続的な低減が示されました。これまで、術前化学療法を受けた、または化学療法に不適格な患者さんにおいて、根治切除後の尿路上皮がんの再発リスクを低減した薬は、すべての免疫療法薬およびその他の薬剤を含めても、ニボルマブ以外にありません。本試験の結果は、尿路上皮がんの治療方法に変化をもたらしたのです」