「アミバンタマブ+化学療法」、前治療無効のEGFR陽性の進行性非小細胞肺がんに対する治療として国内申請

2024/06/20

文:がん+編集部

 第3世代EGFR-TKIによる前治療無効のEGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに対する治療薬として、アミバンタマブと化学療法の併用療法が国内承認申請されました。

「アミバンタマブ+化学療法」、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを52%減少

 ヤンセンファーマ株式会社は2024年5月31日、アミバンタマブの製造販売承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、MARIPOSA-2試験の結果に基づくものです。

 MARIPOSA-2試験は、局所進行または転移性のEGFRエクソン19欠失変異またはエクソン21 L858R変異がある非小細胞肺がんで、オシメルチニブ(製品名日:タグリッソ)による治療中または治療後に進行した患者さん657人を対象に、「アミバンタマブ+化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)」と、「アミバンタマブ+化学療法+ラゼルチニブ」、化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は客観的奏効、全生存期間、奏効期間、後続治療までの期間、最初のランダム化から後続治療後の病勢進行または死亡までの期間、頭蓋内無増悪生存期間でした。

 試験の結果、「アミバンタマブ+化学療法」は、化学療法と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を示し、病勢進行または死亡リスクを52%減少させ、主要評価項目を達成しました。

 安全性に関しては、各薬剤の安全性プロファイルと一貫しており、化学療法にアミバンタマブを追加することによる新たな安全性シグナルは認められませんでした。「アミバンタマブ+化学療法」で最も多くみられた有害事象は、血液学的事象、EGFR関連事象、MET関連事象でした。「アミバンタマブ+化学療法」における注入に伴う反応は58%でした。

 ジョンソン&ジョンソンInnovative MedicineのSolid Tumor に関するClinical DevelopmentのVice PresidentであるKiran Patel医師は、次のように述べています。

 「MARIPOSA-2試験は、オシメルチニブ投与後における無増悪生存期間の有意な延長を初めて証明したものであり、対象集団におけるアミバンタマブと化学療法の併用療法が持つ可能性を示しています。アミバンタマブと化学療法の併用療法は、アンメットニーズが高いこの患者集団に対する新たな標準治療として、患者さんの転帰を改善することが期待されます。当社は、日本の患者さんに新たな治療選択肢を提供するため、引き続き研究と投資に取り組んでいくとともに、今後の承認取得に向けては、当局と緊密に連携して参ります」