HER2陽性の進行胃がん対象、一次治療としてキイトルーダを評価したKEYNOTE-811試験の結果を発表

2024/07/09

文:がん+編集部

 HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部がんを対象に、一次治療として「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)+化学療法」を評価したKEYNOTE-811試験の結果を発表。全生存期間の改善が認められました。

「キイトルーダ+ハーセプチン+化学療法」、「プラセボ+ハーセプチン+化学療法」と比較して統計学的有意に全生存期間を延長

 米メルク社は2024年5月1日、KEYNOTE-811試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-811試験は、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者さん698人を対象に、一次治療として「ペムブロリズマブ+トラスツズマブ+化学療法」と「プラセボ+トラスツズマブ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次評価項目は客観的奏効率、奏効期間、安全性などでした。

 最終解析の結果、「ペムブロリズマブ+トラスツズマブ+化学療法」は「プラセボ+トラスツズマブ+化学療法」と比較して統計学的有意かつ臨床的に意義のある全生存期間の延長が認められました。また、PD-L1陽性の患者さんでは、その効果は最も大きくなりました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の研究開発本部グローバル臨床開発部門がん担当責任者シニアバイスプレジデントのマージョリー・グリーン博士は、次のように述べています。

 「進行胃がんと診断された患者さんの予後は不良であることが多く、患者さんの寿命を延ばす可能性のある治療の選択肢が求められています。KEYNOTE-811試験の全生存期間の心強い結果は、この試験でこれまでに得られている無増悪生存期間、奏効率、奏効期間の良好なデータに加えられるものです」