高リスク早期トリプルネガティブ乳がんを対象にキイトルーダレジメンを評価したKEYNOTE-522試験の結果を発表

2024/07/30

文:がん+編集部

 高リスク早期トリプルネガティブ乳がんを対象に、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)レジメンを評価したKEYNOTE-522試験の結果を発表。全生存期間の改善が認められました。

キイトルーダレジメン、化学療法と比較して統計学的有意に全生存期間を改善

 米メルク社は2024年5月28日、KEYNOTE-522試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-522試験は、トリプルネガティブ乳がん患者さん1,174人を対象に、ペムブロリズマブレジメンと化学療法を比較した第3相臨床試験です。ペムブロリズマブレジメンでは、術前療法として「ペムブロリズマブ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)」の後「ペムブロリズマブ+化学療法(シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン)」、術後療法としてペムブロリズマブ単独療法が行われました。化学療法レジメンは、ペムブロリズマブの代わりにプラセボを使用し、同様の化学療法のみ行われました。

 主要評価項目は完全奏効率、無イベント生存期間、副次的評価項目は全生存期間などでした。

 事前に規定された中間解析の結果、ペムブロリズマブレジメンは化学療法と比較して統計学的有意かつ臨床的に意味のある全生存期間の改善を認めました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのガーセル・アクタン博士は、次のように述べています。

 「高リスク早期トリプルネガティブ乳がんに対する免疫療法ベースのレジメンで、化学療法のみと比較して統計学的に有意な全生存期間が認められたことは今回が初めてであり、重要なマイルストーンです。この画期的な試験で全生存期間が達成されたことを大変心強く思います。このレジメンは、良好な病理学的完全奏効と無イベント生存期間のデータによって世界中で承認取得につながっていますが、それをさらに強化する結果です」