未治療の慢性リンパ性白血病を対象に「カルケンス+ベネクレクスタ」を評価したAMPLIFY試験の結果を発表
2024/09/13
文:がん+編集部
未治療の慢性リンパ性白血病を対象に、「アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)+ベネトクラクス(製品名:ベネクレクスタ)」併用療法を評価したAMPLIFY試験の結果を発表。オビヌツズマブ(製品名:ガザイバ)の有無にかかわらず、無増悪生存期間の改善が認められました。
「カルケンス+ベネクレクスタ」、化学免疫療法と比較して統計学的有意に無増悪生存期間を改善
アストラゼネカは2024年7月29日、AMPLIFY試験の結果を発表しました。
AMPLIFY試験は、染色体17p欠失変異およびTP53変異を含まない未治療の成人慢性リンパ性白血病患者さんを対象に、「アカラブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法にオビヌツズマブ投与を含めた場合と含めなかった場合の有効性および安全性を、治験責任医師が選択した化学免疫療法と比較した第3相試験です。患者さんは、アカラブルチニブとベネトクラクスとの固定期間併用療法、アカラブルチニブとベネトクラクスとオビヌツズマブとの固定期間併用療法、または標準治療である化学免疫療法のいずれかに無作為に割り当てられました。
主要評価項目は、「アカラブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法に対する独立審査委員会の判定に基づく無増悪生存期間、主な副次的評価項目は、「アカラブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法に対する治験責任医師の判定に基づく無増悪生存期間、全生存期間、無イベント生存期間、奏効率、奏効持続期間、次の治療までの期間などでした。
中間解析の結果、「アカラブルチニブ+ベネトクラクス」併用療法は化学免疫療法と比較して、オビヌツズマブの有無にかかわらず統計学的有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を認めました。また、全生存期間の解析でも良好な傾向が認められましたが、今回の解析時点では、データは未熟なため引き続き評価されます。
ダナファーバーがん研究所の血液腫瘍部門である慢性リンパ性白血病センターのセンター長およびハーバード大学医学大学院ワージントン・マーガレット・コレットの医学教授で、AMPLIFY試験の主任治験責任医師であるJennifer R. Brown氏は、次のように述べています。
「AMPLIFY試験の結果は、アカラブルチニブとベネトクラクスとの固定期間併用療法が、オビヌツズマブの投与の有無を問わず、慢性リンパ性白血病患者さんに対して有効かつ忍容性の良好な治療選択肢となる可能性を示しました。固定期間療法では、この慢性疾患を抱えて生活している患者さんは治療を休止することができるため、長期間の有害事象および薬剤耐性の可能性を減らし、生活の質の向上につながるため、この結果は同療法における重要な進歩といえます」