【週刊】がんプラスPickupニュース(2024年12月2日)
2024/12/02
文:がん+編集部
直腸がんロボット支援手術、腹腔鏡手術と比べ男性の性機能障害発生率が少ないと判明
横浜市立大学は2024年11月15日、直腸がんのロボット支援による手術後と腹腔鏡手術後における男性患者さんの性機能障害発生率を調査した観察研究結果を発表しました。49か所の共同研究施設において、男性直腸がん患者さん410人(患者年齢中央値59歳)を対象に調査を実施。術後12か月の射精障害発生率は、ロボット手術25.0%に対して腹腔鏡手術40.9%、術後12か月の性交障害発生率は、ロボット手術17.8%に対して腹腔鏡手術29.0%でした。今回の調査により、ロボット支援による直腸がん手術が、腹腔鏡手術に比べて男性患者さんの性機能をより良く保つ効果があることが判明しました。
セムブリックス、初発の慢性期のPh陽性慢性骨髄性白血病に対する適応でFDAが承認
ノバルティスは2024年10月29日、アシミニブ(製品名:セムブリックス)が、初発の慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病成人患者さんへの適応で、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを発表しました。この承認は、ASC4FIRST試験の結果を基に行われ、同試験でアシミニブは医師選択の標準治療TKIおよびイマチニブと比較して、48週時点の優れた分子遺伝学的大奏効率を示し主要評価項目を達成しました。今回の承認により、アシミニブの治療対象となる患者さんは初発および治療歴のある患者さんを含めて約4倍に増えます。
9価HPVワクチン「シルガード9」、男性接種と肛門がん予防に適応拡大を申請
MSD株式会社は2024年11月15日、HPVの9つの型に対応した「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(製品名:シルガード9)」について、以下の製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。
・9歳以上の男性への接種対象拡大と、9歳以上15歳未満の男性に対する2回接種の「用法及び用量」の追加
・肛門がんおよびその前駆病変と、男性での尖圭コンジローマの予防の適応追加
今回の申請が承認された場合、肛門がんと尖圭コンジローマの予防のための男性への接種が可能となります。さらに、女性においては子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの従来の適応症に、新たに肛門がんが追加されることになります。